◈ EVMの見取り図応用情報の学習ノート

AP EXAM / EVM TRAINING

EVMを理解して、
計算問題を解ける力へ。

応用情報のEVM対策を、この1ページに。用語をつかみ、解き方を覚え、演習で確かめる。間違えたところに戻って、もう一度。

まずは演習に挑戦する ↗

EVM = Earned Value Management(アーンドバリューマネジメント)

5日目のプロジェクト 予算100万円 / 10日間
PV 予定
50万円
EV 成果
40万円
AC 支出
60万円
40万円分できた。でも、
予定は50万円分。支出は60万円。

だから、進捗は遅れ、コストは超過。

STUDY ROUTE / 迷ったらここから

今日の目的から、学習を始める。

このページは応用情報の「EVM」分野に絞った教材です。試験全分野を網羅するものではありません。演習は過去問の転載ではなく、学習用のオリジナル問題です。

01 / WORDS

英語をほどくと、意味が残る。

略語の由来は英単語の頭文字。まずは、この3つだけ。

予定

PV

Planned Value

ここまで、できる予定。

plan(計画する)→ planned(計画された)。value は「価値」。予定していた作業を、予算上の金額で表す。

予定作業の予算額
成果

EV

Earned Value

ここまで、実際にできた。

earn(働いて得る・獲得する)→ earned(獲得した)。完了した作業の価値を、当初の予算で評価する。

完了作業の予算額 ≠ 売上・利益
支出

AC

Actual Cost

ここまで、実際に使った。

actual は「実際の」、cost は「費用」。成果の大きさとは別に、実際に発生した費用を数える。

実際に発生した費用

01 / COMPARE

主役はEV。比べる相手は2つ。

COST / お金の比較

成果 EV ↔ 支出 AC

40万円分の仕事に60万円かかった。成果に対して20万円多く使っている。

CV = EV − AC = −20万円

CV(Cost Variance/コスト差異)がマイナスならコスト超過。ACが総予算100万円を超える前でも、効率の悪化は検出できます。

SCHEDULE / 進み具合の比較

成果 EV ↔ 予定 PV

50万円分できる予定に対して40万円分。予定より10万円分の仕事が足りない。

SV = EV − PV = −10万円

SV(Schedule Variance/スケジュール差異)がマイナスなら遅れ。単位は日数ではなく金額です。

GRAPH / 推移グラフの読み取り

3本の線は、同じ日で比べる。

横軸は時間、縦軸は累積金額。観測日の縦線に注目し、EVを基準に上下の差を読み取ります。

━ PV:予定━ EV:成果┅ AC:支出
縦方向の差が「進捗の遅れ」なのはなぜ?

SVは、予定に対して足りない仕事を「予算価値」で表します。だから縦軸の金額の差です。横方向の時間差とは別の指標で、SV=−10万円を「10日遅れ」と読むことはできません。

グラフ問題に挑戦:5日目のPV=50、EV=40、AC=60なら?

CV=40−60=−20万円、CPI=40÷60≒0.67なのでコスト超過。SV=40−50=−10万円、SPI=40÷50=0.80なので進捗遅延。EVがACとPVの両方より下にあります。

学習用に作成した模式データです。総予算100万円・計画期間10日間で、PVは日ごとに配分が異なるS字状の計画。EV・ACは選択したケースに応じた仮想実績で、観測日までだけ表示します。点線のPVは将来の計画で、実績の予測ではありません。下の均等配分シミュレーターとは別の事例です。

02 / SOLVING METHOD

計算問題は、4ステップで解く。

  1. 時点と単位をそろえる

    何日目の累計か、円・万円・人日などの単位は一致しているかを確認。

  2. 「予定・成果・支出」に仕分ける

    計画した仕事の予算=PV。完了した仕事の予算=EV。発生した費用=AC。

  3. 問われた指標を計算する

    コストならAC、進捗ならPVと比べる。効率はEVを分子にして割り、差異はEVから引く。

  4. 判定と丸め方を確認する

    効率は1、差異は0が基準。途中では丸めず、設問指定の桁数・単位で答える。

例題:作業ごとに予算が違うとき

観測時点の作業別データは次のとおり。累計費用ACは60万円。PV・EV・CPI・SPIを求めましょう。

作業予算予定完了率実際の完了率
A40万円100%100%
B60万円50%25%
解き方・答えを見る

PV=40×1+60×0.5=70万円
EV=40×1+60×0.25=55万円
CPI=55÷60≒0.92 → コスト超過
SPI=55÷70≒0.79 → 進捗遅延

完了率を単純平均してはいけません。各作業の予算を掛けてから足します。この例では、作業内の完了率に比例して予算価値を計上する前提です。

03 / PRACTICE

解いて、確かめて、解き直す。

基礎・計算・判定・見積りの8問。選択後に「答え合わせ」で解説が表示されます。

解答状況はこのブラウザーに保存されます。

04 / EXPERIMENT

100万円の仕事を、10日間で。

演習で迷ったら、ここで実験。毎日同じ予算価値の作業を進める計画で、完了率や費用が指標に与える影響を確かめます。

プロジェクトの条件

各値は観測時点までの累計。完了率は予算価値で重み付けした割合です。

同じ時点の3つを比べる

単位:万円

コストの効率 CPI

進捗の効率 SPI

※ PV=総予算×経過日数÷計画期間は、この均等配分の例での計算方法。実務や試験では、与えられた計画・作業別予算から求めます。

05 / QUICK RECALL

「成果を上に。1を境に。」

CPIとSPIは、どちらも分子がEV。何と比べたいかで、分母を選びます。

CPI = EV / AC

Cost Performance Index
費用の遂行能力を示す指標=コスト効率指数

40 ÷ 60 ≒ 0.67
1円の支出で、約0.67円分の成果。

SPI = EV / PV

Schedule Performance Index
日程の遂行能力を示す指標=スケジュール効率指数

40 ÷ 50 = 0.80
予定していた成果の80%を達成。

試験直前の公式一覧
指標公式判定・意味
CPI コスト効率EV ÷ AC1未満:コスト超過
SPI 進捗効率EV ÷ PV1未満:遅れ
CV コスト差異EV − AC負:コスト超過
SV 進捗差異EV − PV負:遅れ。単位は金額
EAC 完成時総コスト見積りBAC ÷ CPI今後も同じコスト効率が続く場合
ETC 残作業のコスト見積りEAC − ACこれから必要な費用

BAC(Budget at Completion)は完成までの総予算。EAC(Estimate at Completion)は完成時総コスト見積り。ETC(Estimate to Complete)は残作業のコスト見積りです。今後は当初の予算どおりに実行できるという条件なら、EAC=AC+(BAC−EV)。見積りの式は、問題文の前提で選びます。

1未満超過 / 遅れ1基準どおり1超費用効率が良い / 先行

performance=遂行・実績、index=指標。CPI・SPIには単位がありません。分母が0のときは計算不可です。

06 / COMMON TRAPS

間違えやすいポイントを確認。

答えを開く前に、頭の中で考えてみましょう。

PV=80、EV=60、AC=50。どんな状態?

CPI=60÷50=1.2で費用効率は良好。SPI=60÷80=0.75で進捗は遅れ。お金と進捗の評価は別です。

「60万円使った」なら、EVも60万円?

いいえ。60万円はAC。EVは完了した仕事を当初の予算で評価した金額です。

SPIが0.8なら、完成日は必ず25%遅れる?

いいえ。SPIは観測時点の予算価値の比率です。作業の順序やクリティカルパスもあるため、そのまま完成日の遅れには換算できません。完了時には遅延していてもEVとPVが総予算に一致し、SPIが1になることもあります。

問題を解くときは、どの順番?

① 観測時点をそろえる → ② 予定PV・成果EV・支出ACを拾う → ③ EVを分子にして割る → ④ 1との大小で判定。差異を問われたらEVから引きます。