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図でつながる、応用情報。 信頼性設計

FTAとFMEAは、
たどる向きでわかる。

「なぜ起きる?」から考えるか。
「壊れたらどうなる?」から考えるか。
まずは、この違いだけ。

2つの図を見比べる ↓クイズなし · 図解中心
01

スタート地点が、逆。

FTAは望ましくない結果から、FMEAは個々の故障から考えます。

結果 → 原因トップダウン / 演繹的

FTA 故障の木解析

この障害は、何が原因で起きる?

Fault Tree Analysis 原因を「木」で展開
故障 → 影響ボトムアップ / 帰納的

FMEA 故障モード影響解析

この部品が壊れたら、何に影響する?

Failure Mode and Effects Analysis 故障ごとに「表」で整理

図の上下よりも「何から考え始めるか」が大事。FMEAのボトムアップは、部品からシステム全体へ考えるという意味です。

02

同じネットショップで、考えてみる。

例の前提:Webサーバは2台。どちらか1台が動けば処理でき、DBは1台です。

FTAで見る

「注文できない」を分解する。

結果を一つ決め、発生条件を枝分かれで整理します。この図では「DB停止」または「AとBの両方が故障」で注文が止まります。

FMEAで見る

故障を一つずつ、影響につなぐ。

故障モード影響 → 対策例
Web Aが
応答しない

Bで処理を継続。処理能力が低下する可能性。→ 故障を検知し、Aを復旧

DBが
読み書き不能

注文データを保存できず、注文が停止。→ DB冗長化・切替を設計

故障モード=「どう壊れるか」。停止・応答遅延・誤った値の出力など、故障の現れ方です。必要に応じて重大さや発生しやすさも評価します。

学習用の簡略例です。回線・電源・切替機構などの故障は、この構成図では省略しています。FTAもFMEAも、実際の障害発生前に予防のために使えます。

03

ANDは「両方」、ORは「どちらか」。

ゲートは、下の原因がどの条件で上の事象を起こすかを表します。

ANDゲート

すべてが起きたら、発生

例:冗長化したA・Bが両方とも故障すると、Web全停止。

P(A ∩ B) = p × q

p = 0.1、q = 0.2なら
0.1 × 0.2 = 0.02(2%)

ORゲート

少なくとも一つで、発生

例:サーバ故障または回線断のどちらでも、サービス停止。

P(A ∪ B) = p + q − p × q

p = 0.1、q = 0.2なら
0.1 + 0.2 − 0.02 = 0.28(28%)

計算の前提は「独立」。

ここでp・qは、同じ対象期間における各故障の発生確率です。上の式はA・Bが独立の場合。共通の電源故障などで同時に止まるなら、そのまま掛け算はできません。

ORで重なりを引くのは、両方が起きる場合を二重に数えるため。一般には P(A ∪ B) = P(A) + P(B) − P(A ∩ B)。独立と排反は別です。

もう一歩:故障確率と稼働率を混ぜない

このページでは故障の発生確率を計算しています。問題で稼働率が与えられたときは、何の確率を求めるかを確認しましょう。独立な2台の並列構成で、各稼働率がr₁・r₂なら、少なくとも1台が動く確率は 1 − (1 − r₁)(1 − r₂) です。

04

問題文の「出発点」を探す。

FTA

「特定の障害」「原因を展開」「論理積・論理和」

望ましくない事象を頂上に置き、原因を樹形図でたどる → FTA。

FMEA

「構成要素」「故障モードを列挙」「影響を評価」

個々の部品の故障を洗い出し、全体への影響を調べる → FMEA。

「障害を分析する」だけでは区別できません。何を起点に、何を明らかにするかまで読めば見分けられます。

05

SPOFは、ひとことだけ。

関連知識

SINGLE POINT OF FAILURE

そこ一つが壊れると、
システム全体が止まる箇所。

日本語では単一障害点。先ほどの例では、1台だけのDBが該当します。冗長化が基本的な対策です。

サーバだけを2台にしても、共通の電源・回線が一つなら、そこが単一障害点になり得ます。

持ち帰るのは、この4行。

覚えるのは、ここ。

01

FTA:結果 → 原因。故障の木・トップダウン。

02

FMEA:故障 → 影響。故障モードを列挙・ボトムアップ。

03

ANDは全部、ORは一つ以上。独立なら AND = pq、OR = p + q − pq。

04

SPOF:一つの故障で、全体が停止。対策は冗長化。共通部分も確認。

まずは定義と向き、ゲートの意味を優先。詳細な評価点の算出法などは、このページの暗記対象にしていません。