FTA 故障の木解析
この障害は、何が原因で起きる?
図でつながる、応用情報。 信頼性設計
「なぜ起きる?」から考えるか。
「壊れたらどうなる?」から考えるか。
まずは、この違いだけ。
FTAは望ましくない結果から、FMEAは個々の故障から考えます。
この障害は、何が原因で起きる?
この部品が壊れたら、何に影響する?
図の上下よりも「何から考え始めるか」が大事。FMEAのボトムアップは、部品からシステム全体へ考えるという意味です。
例の前提:Webサーバは2台。どちらか1台が動けば処理でき、DBは1台です。
FTAで見る
結果を一つ決め、発生条件を枝分かれで整理します。この図では「DB停止」または「AとBの両方が故障」で注文が止まります。
FMEAで見る
Bで処理を継続。処理能力が低下する可能性。→ 故障を検知し、Aを復旧
注文データを保存できず、注文が停止。→ DB冗長化・切替を設計
故障モード=「どう壊れるか」。停止・応答遅延・誤った値の出力など、故障の現れ方です。必要に応じて重大さや発生しやすさも評価します。
学習用の簡略例です。回線・電源・切替機構などの故障は、この構成図では省略しています。FTAもFMEAも、実際の障害発生前に予防のために使えます。
ゲートは、下の原因がどの条件で上の事象を起こすかを表します。
すべてが起きたら、発生
例:冗長化したA・Bが両方とも故障すると、Web全停止。
p = 0.1、q = 0.2なら
0.1 × 0.2 = 0.02(2%)
少なくとも一つで、発生
例:サーバ故障または回線断のどちらでも、サービス停止。
p = 0.1、q = 0.2なら
0.1 + 0.2 − 0.02 = 0.28(28%)
ここでp・qは、同じ対象期間における各故障の発生確率です。上の式はA・Bが独立の場合。共通の電源故障などで同時に止まるなら、そのまま掛け算はできません。
ORで重なりを引くのは、両方が起きる場合を二重に数えるため。一般には P(A ∪ B) = P(A) + P(B) − P(A ∩ B)。独立と排反は別です。
このページでは故障の発生確率を計算しています。問題で稼働率が与えられたときは、何の確率を求めるかを確認しましょう。独立な2台の並列構成で、各稼働率がr₁・r₂なら、少なくとも1台が動く確率は 1 − (1 − r₁)(1 − r₂) です。
望ましくない事象を頂上に置き、原因を樹形図でたどる → FTA。
個々の部品の故障を洗い出し、全体への影響を調べる → FMEA。
「障害を分析する」だけでは区別できません。何を起点に、何を明らかにするかまで読めば見分けられます。
SINGLE POINT OF FAILURE
日本語では単一障害点。先ほどの例では、1台だけのDBが該当します。冗長化が基本的な対策です。
サーバだけを2台にしても、共通の電源・回線が一つなら、そこが単一障害点になり得ます。
持ち帰るのは、この4行。
FTA:結果 → 原因。故障の木・トップダウン。
FMEA:故障 → 影響。故障モードを列挙・ボトムアップ。
ANDは全部、ORは一つ以上。独立なら AND = pq、OR = p + q − pq。
SPOF:一つの故障で、全体が停止。対策は冗長化。共通部分も確認。
まずは定義と向き、ゲートの意味を優先。詳細な評価点の算出法などは、このページの暗記対象にしていません。